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たのしい知識 Le gai savoir

習作(@hiropon12124870)

Vendôme,la sick Kaiseki

あなたの国は、小さい子のヌード写真がおおすぎるって、どのパーティーでもいわれた。街中に裸の女の子の写真があふれていて、電車の中にまでつってあるのは絶対おかしいって。でも、まさかそのうちの一人があたしだってことは、誰も気づかなかった。あたし…

外科医のトリシャ・ブラウン

外科医のトリシャ・ブラウン Kさんの家に行くと、Kさんはわたしに必ず紅茶かお茶を出してくれる。わたしがコーヒーを飲まないから、彼女は代わりに紅茶を出す。その紅茶を飲んでいるあいだも、外の景色は澄んでいる、だがカーテンに仕切られて外の景色は見え…

Our Girlfriends 断片

何かの始まりは、一体いつ起こっているのだろうか。エミが生まれたとき、エミは自分が生まれたことを知らなかった。エミは未熟児だった。母はエミがちゃんと育つか心配し、赤ちゃん手帳にはそうした母の心配が事細かに書かれていた。何かの出来事が起こった…

絵はわたしを見返さない(点のように記号的な目だったから)

むっとした顔で昼、大島渚の『日本春歌考』を観て、その「親は呪え、師は殺せ、友は裏切れ」のコピーに、わたしは数年前の春をひっそり垣間見た(が、そのあとは「女は抱け」で一挙にわたしが分散して片割れは消えた)。 作中、伊丹は教え子たちをメソポタミア…

坂の向こう側

遠くへ行こう、と思う瞬間があった。 それがどんなときだったのか、今となっては思い出すことは出来ない。それでも確かにそうした感覚を強く感じる瞬間があった。子供の頃、わたしの行動範囲はいつもとても狭かった。わたしの家が位置する地区は、学校の指定…

名前と「もの」

名前と「もの」 言葉の、特に名詞は、ものや出来事の名であると言われている。 名詞は、無意味な音素の羅列ではなく、それ自体が何かを指し示しており、何らかの視覚的な表象や感覚知覚などに結びついている。しかし、ほんとうに言葉がものとのあいだに対応…

デモにまつわる自伝的テクスト

今から一年と少し前だろうか、二〇一五年の夏、私を含めて多くの人々が集団的自衛権の行使を容認するか否かについて真偽を問う議論が、そこかしこでお湯が沸騰し、その表面が熱によって泡立つように盛上がっていた。連日の各種メディアによる報道、国会の審…

「関心」について

「関心」の問題、あらゆる事物の存在は、それが仮に「在る」のだとしても、それを受け取る「私」自体が塑造されていなければ、それはなきに等しい、といったときに、ではいかなる形で、私らはそうした「関心」を、どの程度までに拡張す「べき」と言えるのだ…

劇場の上のコギト

一年前に書いて友達に見せた原稿。彼は「オブジェクトに対立するのはサブジェクトじゃないか?」と言っていたが、突発的に書いたものということもあり、まだここで論じられている問題をどのように展開させていくべきかには、決着はついていない。 「劇場の上…